2012年09月21日(金)

奈良リハ [PT科] 奈良リハNEWS

奈良リハ卒業生(7期生)大森裕彦さんが新聞報道されました。

東日本大震災:1年半 捜し続けるボランティアダイバー
(毎日新聞 2012年09月09日 10時12分)
毎日新聞記事


 ※以下、毎日新聞様より許可を得て転載しております。

東日本大震災:1年半 捜し続けるボランティアダイバー

毎日新聞記事 大森裕彦さん
 東日本大震災から11日で1年半。時は過ぎても、大切な人の帰りを待ちわびる家族の気持ちに終わりはない。その思いに応えようと、津波被害を受けた沿岸部の水中で行方不明者を捜し続けるボランティアがいる。大森裕彦さん(35)もその一人だ。警察や自衛隊の捜索が縮小された今も連日、暗い水の底に手探りで潜る。【安高晋】

 夏の終わりの強い日差しが照らしても、水中に視界はほとんどない。水面に顔を出し、船上の漁師に伝える。「屋根が見えるけど、引き揚げは難しい」


 宮城県石巻市の長面浦(ながつらうら)。児童74人が犠牲になった大川小に近い入り江だ。9月4日、大森さんがすくい上げたのは、家屋の一部や大木など。だが望みは捨てていない。「真っ暗で潜れていない場所もまだある。遺体が見つかる可能性は残っている」

 宮城県登米市出身。高校卒業後はタイでダイビングのインストラクターをしていた。04年、スマトラ島沖の大地震による津波に遭遇して帰国した。奈良県で理学療法士の資格を取り、病院でリハビリを担当した。その直後に再びの大津波。襲われたのは故郷だった。

 実家に戻り惨状に目を覆った。自分にできることは何か。そんな時、ボランティア組織「DSP災害支援プロジェクト」を発足し、水中で捜索活動をする門馬(もんま)宏明さん(36)を知る。行政の手が回らなかったり捜索が打ち切られた場所で、次々と遺体を見つけていた。

 「ダイビングの経験を生かせる」。昨年6月から活動に参加した。「同じ場所に続けて潜ってこそ、地形や潮の流れが読める」と今春、住まいを故郷の登米市に移して活動に専念した。妻を大阪に残しての”単身赴任”で、貯金を切り崩すなどして活動を続けた。

 今年6月。長面浦に沈む車を発見した。中に人の足が見えた。この地区に暮らす高齢の夫婦と分かった。車が引き揚げられ、娘が遺体と対面する場面に立ち会った。「2人一緒にいられたんだね」。ほっとしたように語り掛ける娘。まだ家族が見つからない人たちが集まり「ほんとに良かった」と声を掛けていた。

 「ありがとうございました」。娘から深く頭を下げられた。言葉が見つからなかったが、ほっとしたと同時に続けていかなければと強く思った。

 門馬さんによると、DSPの水中捜索がきっかけになって引き揚げられた遺体は、100体を超えるという。たとえ見つからなくても、捜索自体が家族の救いにもなっている。子供が見つからない親から「あの場所に潜って」と言われ、親を船に乗せて潜ったことがあった。見つけられなかったが、親はそれから「子供の夢を見なくなった」と言った。

 8月。大森さんは妻と生まれたばかりの息子を呼び寄せた。ゆくゆくは地元で理学療法士の仕事を見つけ、宮城の復興に関わっていこうと思っている。


奈良リハを卒業し地元の病院で働く後輩や、当時の担任に大森裕彦さんの在学時の印象について聞いてみました。

●後輩Oさん
寡黙な海の男 という印象でした。頼りになる先輩でした。
●担任 中谷
大変物静かであまり普段は目立たない学生さんでした。学級の中では、いざという時、たいへん頼りになる心強いお兄さん的な存在でした。
国家試験が近づいてきて、「どうですか?頑張っていますか?」と声をかけることぐらいしか担任としては、できなかったのですが、「覚えることは多いですが、頑張っています。」と逞しい答えが返ってきました。そして、その通り試験が近づくにつれて、成績もどんどんあがってきましたね。
●学科長 赤松
物静かな印象が残っています。目立って頑張っているということではなかったように思いますが、着実に努力を重ね成果を上げていました。
理学療法以外にもいろいろなことに興味があったと記憶しています。それがどんなふうになるのかは想像もできませんでしたが、信念を持って行動することで表現されているのだなぁと感じます。
奈良リハ在学中の大森裕彦さん

 大森さんたちのボランティア活動は、本当に苛酷なものだと思います。それでも続けられる原動力は、行方不明者のご家族への強い思いに他ならないのだと感じました。

 彼の活動をきっかけに、遠くに住んでいる私たちに何が出来るのか、あらためて考えていかなければという気持ちになりました。

 

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